
山田写真へ向かう道中に、卒業した高校の前を通った。
三月に廃校になった。
僕は十回目の卒業生。
青春の只中。
明るく楽しく、馬鹿で元気いっぱいの高校時代。
そんな側面は御多分に洩れずあったが、青春時代は同時に暗く憂鬱で悶々とした時代でもあった。
好きな人に好きとも言えず、近付く将来への不安。
いつも宙ぶらりんで、本を読み音楽を聴き、友人たちと馬鹿をやり、漠とした不安を向こうへと押しのけていた。
五十年も前のことだが、それが遠いのか近いのか分からない。
今も青春なのかも知れないし、既に老人なのかも知れない。
記憶の細部も随分とぼやけてきている。
老いることは悪いことではないが、寂しいことでもある。
そんなことを考えながら、三十年ぶりに会う山田写真の加川さんへ向かった。
