直木賞の思い出

思い出といっても、直木賞を受賞したことがあるという話しではない。

中学三年の国語の授業中のこと。

「芥川賞ともう一つあるが何だ」、と訊いたのだろう。

直木賞だと分かり顔を上げたら先生と目があった。

僕が指され、

何故か「植木(うえき)賞!」と、答えてしまった。

教室は大爆笑で、僕は顔から火が出るかと思った。

先生は庇ってくれたが、僕は知っていたのに何故そんなことを口走ってしまったのだろう。

植木賞の思い出。

芥川龍之介も読んだことがなければ、直木三十五に至っては誰かも分からない。

今夏の芥川龍之介賞と直木三十五賞の該当作はないのだそうだ。

どうということはない。

あらゆる賞という賞には、出す方も出される方にも思惑があるものだ。

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